Well-being Column

ウェルビーイングとは?意味・3つの要素・
高める方法を
わかりやすく解説

からだ・こころ・人とのつながりが、そろって満たされている状態。WHOの定義から日本の最新データ、今日からできることまで、1本で整理しました。

2026年10月29日 公開 | 文責:石橋 晃希(合同会社paimen 代表社員) | 約10分で読めます

仕事に熱意をもって取り組む人の割合
8%
日本。世界平均の、半分にも届きません。
出典:Gallup「State of the Global Workplace 2026」(2025年までの3年移動平均)

「ウェルビーイング」という言葉を、ニュースや求人票、学校の授業で見かけることが増えました。けれど、「健康や幸せと何が違うの?」と聞かれると、うまく説明できない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ウェルビーイングの意味を公的な定義とデータにもとづいて整理し、個人が今日からできることと、職場で取り組めることまでを解説します。

結論:ウェルビーイングとは

ウェルビーイング(well-being)とは、からだ(身体)・こころ(精神)・人とのつながり(社会)の3つがそろって満たされ、よい状態が続いていることを指す言葉です。WHO(世界保健機関)憲章の健康の定義に由来し、一時的な「幸せな気分」ではなく、持続的に満たされた状態を意味します。

01 — MEANING

ウェルビーイングの意味とは?

ウェルビーイングは、英語の well(よく)と being(あること・状態)を組み合わせた言葉で、直訳すると「よい状態」です。

日本語では「幸福」「健康」「よく生きること」などと訳されます。たとえば内閣府は、この言葉を「Well-being(幸福度)」と表記し、国民の満足度を測る調査を毎年行っています。

考え方の原点としてよく引用されるのが、世界保健機関(WHO)憲章の前文です。

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

— 世界保健機関(WHO)憲章 前文(日本WHO協会 訳)

ポイントは、「病気でない」だけでは足りないと言い切っていることです。からだが元気でも、こころが疲れていたり、頼れる人がいなかったりすれば、「よい状態」とは言えません。

02 — DIFFERENCE

ウェルビーイングと「健康」「幸福」の違いは?

違いは「範囲」と「時間の長さ」です。ウェルビーイングは、からだ・こころ・つながりの3つすべてを含み、一時的ではなく続いている状態を指します。

言葉主な意味対象時間の長さ
健康(一般的な意味)病気やけががない状態主にからだその時点の状態
幸福感(ハピネス)うれしい・楽しいといった感情主にこころ短い時間で変わりやすい
ウェルビーイング満たされた「よい状態」からだ・こころ・つながり持続的

※言葉の一般的な使われ方をもとに、paimenが整理したものです。

03 — ELEMENTS

ウェルビーイングを構成する3つの要素

ウェルビーイングは「からだ(身体的)」「こころ(精神的)」「つながり(社会的)」の3つの要素で考えると分かりやすくなります。

PHYSICALからだ

よく眠れている。疲れが翌日に残らない。体調の不安を一人で抱えていない。

MENTALこころ

安心して意見が言える。毎日の中に、意味や手応えを感じられる。

SOCIALつながり

困ったときに頼れる人がいる。誰かの役に立っている実感がある。

図:WHO憲章の3つの側面を、日常の具体例に置きかえたもの(paimen作成)

3つは互いに影響しあっています。寝不足が続けば気持ちが沈み、気持ちが沈めば人と会うのがおっくうになる。逆に、どれか1つを整えると、ほかの2つも上向きやすくなります。

04 — PERMA

PERMA(パーマ)モデルとは?

PERMAモデルとは、ポジティブ心理学の第一人者マーティン・セリグマン氏が提唱した、持続的なウェルビーイングを5つの要素で説明する考え方です。

5つの要素の頭文字をとってPERMAと呼ばれます。「こころ」の満たされ方を、もう一段くわしく見るための物差しです。

要素日常に置きかえると(例)
P前向きな感情Positive Emotion1日の中に、笑えたり、ほっとできたりする瞬間がある
E没頭Engagement時間を忘れて夢中になれることがある
R良い関係Relationships信頼できる家族・友人・同僚がいる
M意味Meaning自分の行動が、誰かの役に立っていると感じられる
A達成Accomplishment小さくても「できた」を積み重ねている

※「日常に置きかえると」はpaimenによる例示です。

5つすべてを完璧に満たす必要はありません。どの要素からウェルビーイングを得るかは人によって違う、とされています。自分にとって欠けているものはどれかを知るだけでも、次の一手が見えてきます。

05 — WHY NOW

なぜ今、ウェルビーイングが注目されているのか?

国・企業・働く人の3つの立場で、同時に「豊かさを、お金やモノ以外でも測ろう」という動きが進んでいるからです。

1. 国が、満足度を政策の物差しにし始めた

内閣府は「満足度・生活の質に関する調査」を毎年実施し、その結果を「Well-beingダッシュボード」として公開しています。関係省庁が集まる「Well-beingに関する関係省庁連絡会議」も設けられ、各省の計画にウェルビーイングの指標が組み込まれつつあります。

2. 企業が、社員の健康を「投資」ととらえ始めた

経済産業省などが認定する「健康経営優良法人2026」には、中小規模法人部門だけで23,085法人が認定されました(大規模法人部門は3,765法人)。社員の健康づくりは、もはや大企業だけのテーマではありません。

3. 働く人の「心の離れ」が、数字で見えるようになった

次の章で紹介するとおり、日本は「仕事への熱意」が世界の中でも際立って低い国です。人手不足が続くなかで、社員が元気に、意欲をもって働ける状態をどうつくるかが、経営の課題になっています。

06 — DATA

日本人のウェルビーイングは今どのくらい?

内閣府の調査では、日本人の生活満足度は10点満点で平均5.79点(2025年3月調査)。前回の5.89点から0.10点下がりました。

生活満足度(全体平均・0〜10点)
5.79点
前回 5.89点から0.10点低下
「社会とのつながり」の満足度
前年から低下
「仕事と生活(WLB)」は上昇

出典:内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2025」概要(第7回調査・2025年3月実施)

働く人に絞ると、さらにはっきりした特徴が見えてきます。米国の調査会社Gallupの国際調査から、3つの数字を取り出しました。

仕事に熱意をもって取り組む人
8%
世界平均 20%
自分の人生を「うまくいっている」と評価する人
31%
世界平均 34%
前日に強いストレスを感じた人
39%
世界平均 40%

出典:Gallup「State of the Global Workplace 2026」日本の国別データ。2025年までの3年移動平均。「熱意をもって取り組む」はEngaged、「うまくいっている」はThrivingの訳。

注目したいのは、数字の並び方です。ストレスを感じている人の割合は世界平均とほぼ同じ。人生への評価も大きくは変わりません。ところが「仕事への熱意」だけが、世界平均の半分にも届いていないのです。

日本の課題は、「つらすぎること」よりも、
「毎日から手応えが失われていること」にある。

これは私たちの読み解きですが、PERMAで言えば「没頭(E)」「意味(M)」「達成(A)」が欠けている状態に近いと考えています。休みを増やすだけでは埋まりにくい、手応えの問題です。

07 — HOW TO

ウェルビーイングを高める、今日からできる5つのこと

からだ・こころ・つながりの3つに1つずつ手を打つのが近道です。まずは睡眠を整え、小さな習慣を足していきましょう。

  1. 睡眠を6時間以上とるからだ

    厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、成人について「6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する」ことを推奨しています。すべての土台になる習慣です。

  2. その日の「よかったこと」を3つ書くこころ(P)

    ポジティブ心理学でよく紹介される「スリー・グッド・シングス」という方法です。寝る前に、小さなことでいいので3つ書き出します。

  3. 通知を切って、1つのことに没頭するこころ(E)

    スマホの通知を30分だけ切り、目の前の作業や趣味に集中する時間をつくります。「時間を忘れる」感覚が、没頭のサインです。

  4. 身近な人に「ありがとう」を言葉で伝えるつながり(R)

    家族、同僚、お店の人。感謝を言葉にすることは、もっとも手軽につながりを育てる方法です。

  5. 毎日くり返す作業を減らし、「時間の余白」をつくる3つすべて

    眠る時間も、没頭する時間も、人と向き合う時間も、すべて時間がなければ生まれません。次の章で、職場での具体的な方法を紹介します。

08 — WORKPLACE

職場でウェルビーイングを高めるには?

私たちpaimenの答えは、制度より先に「時間の余白」をつくることです。とくに人手の限られた中小企業では、ここが出発点になります。

一人が営業も事務も兼ねる職場では、会議の記録、日報、データの転記、決まった文面のメール。こうした作業が、休む時間、考える時間、人と向き合う時間を少しずつ削っています。

その作業を肩代わりできるのが生成AIです。総務省の令和8年版情報通信白書によると、自社の業務で生成AIを使っている日本企業は86.4%に達しました。一方で、活用の方針を定めている割合は、大企業の74.0%に対して中小企業は58.1%。道具は手に入っても、「何を任せるか」が決まっていない会社が多いのが実情です。

HAND OVER TO AIAIに渡す仕事

  • 会議の記録・要約
  • 定型メールの下書き
  • 日報・データの転記と集計
  • よくある質問への一次回答

KEEP FOR PEOPLE人に残す仕事・時間

  • お客様と向き合う会話
  • チームでの相談や育成
  • 新しいアイデアを考える
  • しっかり休む

図:AIに任せる作業と、人に残す時間の例(paimen作成)

paimen自身も、社内の定型業務の多くをAIに任せて運営しています。2026年9月時点で、AIが担当している定期業務は55本。空いた時間は、お客様との対話と新しいサービスづくりに使っています。

職場で始める3ステップ

  1. 1週間だけ「時間の棚卸し」をする

    くり返している作業と、かかった時間を1週間だけメモします。週に1時間以上かかる定型作業が、AIに任せる候補です。

  2. 1つだけ、AIに渡してみる

    「毎週発生する」「間違えてもすぐ直せる」作業を1つ選び、2週間試します。例:会議メモの要約、問い合わせメールの下書き。

  3. 浮いた時間の「使い道」を先に決める

    使い道を決めないと、空いた時間はすぐ別の雑務で埋まります。「週1回は定時で帰る」「月1回、上司と1対1で話す」など、先に決めて共有します。

AIに仕事を渡すときの注意点

09 — FAQ

よくある質問

ウェルビーイングを日本語でいうと?

直訳は「よい状態」です。内閣府は「Well-being(幸福度)」と表記しています。からだ・こころ・人とのつながりの3つが満たされ、その状態が続いていることを指します。

ウェルビーイングと健康の違いは?

一般に「健康」は病気やけががない状態を指しますが、ウェルビーイングはそれに加えて、こころの充実と人とのつながりまで含めて満たされた状態を指します。WHO憲章は、まさにその広い意味で健康を定義しています。

ウェルビーイングと健康経営の違いは?

ウェルビーイングは目指す「状態」、健康経営はそこへ近づくための企業の「取り組み」です。健康経営は経済産業省が推進する考え方で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することを指します。

日本人のウェルビーイングは低いの?

内閣府の調査(2025年3月実施)では、生活満足度は10点満点で平均5.79点でした。Gallupの国際調査(2026年版)では、仕事に熱意をもって取り組む人の割合が日本は8%で、世界平均20%を大きく下回っています。

ウェルビーイングを高めるために、まず何をすればいい?

まずは睡眠です。厚生労働省の睡眠ガイドは、成人について6時間以上を目安に睡眠時間を確保することを推奨しています。そのうえで、よかったことを書き出す、没頭できる時間をつくる、感謝を伝える、くり返し作業を減らすといった小さな習慣を足していきましょう。

10 — SUMMARY

まとめ

CONSULTATION

職場の「時間の余白」づくり、
棚卸しから一緒に始めませんか。

paimenは、中小企業のAI業務改善と社内研修をお手伝いしています。
どの作業からAIに任せるか、御社の業務に合わせてご提案します。

出典・参考資料

  1. 日本WHO協会「世界保健機関(WHO)憲章とは」 https://japan-who.or.jp/about/who-what/charter/
  2. University of Pennsylvania, Positive Psychology Center “PERMA Theory of Well-Being and PERMA Workshops” https://ppc.sas.upenn.edu/learn-more/perma-theory-well-being-and-perma-workshops
  3. 内閣府「Well-being(幸福度)に関する取組」 https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/index.html
  4. 内閣府「満足度・生活の質に関する調査報告書2025」概要 https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/manzoku/summary25_1.pdf
  5. Gallup “State of the Global Workplace: Japan Country-Level Data”(2026 Report) https://www.gallup.com/workplace/705794/state-global-workplace-japan-country-level-data.aspx
  6. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」 https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
  7. 経済産業省「健康経営」 https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
  8. 全国健康保険協会(協会けんぽ)広島支部「健康経営優良法人2026の認定法人が発表されました」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/hiroshima/health_promotion/004/index.html
  9. 総務省『令和8年版 情報通信白書』生成AIの活用方針等 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121110.html
  10. 総務省『令和8年版 情報通信白書』生成AIの業務利用状況 https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/html/nd121130.html

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、医療上の助言ではありません。数値は各出典の公表時点のものです(2026年10月29日確認)。